==修復手順==
割れた化粧板を切り取ります
衝撃で破損部分は歪みがあります。その歪みの圧力を解放する意味もあります。安定した平滑面作りに重要な工程です。
陥没サイズは大きめです
補強下地を作ります
下地作りは見えない部分ですが、修復面の強度に関わる一番手間の掛かる重要な部分です。上から押しても大丈夫なようにバックアップをしっかりしてから穴を塞ぎます。
平らにしてから着色して完成
成形後、塗装仕上げ
補強下地の上にパテ処理して平らに成形します。
色合わせの塗装と木目描きをして完成です。
パリンと割れた感じの状態で穴があいていました。穴の下側のひび割れはほぼ水平に走っています。
このドアの表面材は、木の繊維を固めた板で、木目を印刷したシートが貼られています。
縦・横、約12センチの穴です。
見た目以上に板の裏側に損傷が広がっている場合があります。強度が無くなっているため安定した部分を残すように繊維板を切り取ります。
傷んだ化粧板を切り外したところです。中は空洞で、穴の下に木枠があります。
この木枠の部分で割れが止まって、枠に沿ってひび割れが横に広がっていました。
ふさぎ板を取り付けるためにコアを取り付けます。この後、修復事例冒頭の修復方法と同じようにふさぎ板を入れて穴を閉じます。
ふさぎ板に上板をかぶせます。この時点で、二枚の板で穴がふさがれています。
パテ処理で平らに成形します。
大まかに色をつけます。
木目模様など、複雑な色の変化があるため、一色で色合わせはできません。
木目模様を描き込み、周囲と調子を合わせていきます。
縦の木目を入れているところです。
続いて横の模様を入れているところです。
周囲の木目と違和感なく つなげる様にして、縦・横の模様を描き込んでいきます。
横の模様などを確認しているところです。流れが途切れたり乱れたりしないように描きこむと自然な木目に見えます。色の調子も見ながら合わせていきます。
着色・模様の書き込み工程の完了です。
この作業は時間があるほど完成度が高まります。
色・柄合せと共に、艶合わせを行ない、違和感がなければ完成です。
建具の交換をせずに部分的に塗装することでリペア出来ますので、お悩みの方はご相談ください。
扉の表面の板が割れて陥没しています
この建具は化粧合板の割れです。
合板は天然木を薄くスライスした板を何枚か貼り合わせた板のことです。割れると繊維のササクレが出ますので手に刺さらないよう注意しましょう。
縦120ミリ✕横80ミリのサイズでした
合板は、繊維板と比べると少し切り外しに力が要ります。繊維板の割れに比べると、グシャッとした割れ方が特徴です。
しっかりと補強をした上で穴を塞ぎます。
塗装で色を合わせていきます
木目模様を描き込んでいきます
周囲に馴染むまで色合わせと模様の描き込みを繰り返していきます
こちらのドアは、小さめの陥没です。
縦20ミリ✕横20ミリのサイズでした
穴を塞いでからパテ埋めします。三角形の埋め跡ができました。
小さめの穴でしたので、着色は、筆のみで色合わせしていきます
パール光沢があるため、対応塗料を使います。近くで見て確認。
離れて見て確認。遠近両方とも違和感がなくなれば、完成です。
大きめの穴があいています。
色は明るいベージュで木目柄が入っています
割れた板を綺麗に切り取ります。この扉の内部はこんな感じです。
上下・左の木枠組みに沿って割れていました。
穴を補強の板で塞いでから、表面を平らに整えます
平らの成形後に下色をつける事でこの後の着色がし易くなります。
約20㎝四方の大きさです。
色の調子を合わせ、木目模様を描き込んでいきます。
色・柄合せと共に、艶合わせを行ない、違和感がなければ完成です。
目線の高さに横長の陥没が出来ています。
合板の板が割れて裂け目がささくれ立っています。
正面からだと判りにくいのですが、横から確認すると8センチ以上の凹みができています。
定規などを当てると、凹んだ部分はよく判ります。
平らに成形して下色をつけます。
色の調子を合わせ、木目模様を描き込んでいきます。
色・柄合せと共に、艶合わせを行ない、違和感がなければ完成です。
完成写真
ペットの噛み跡
表面のシートがめくれています。
ボコボコと浮いた状態です。
傷んだシート部を切り取ります
シートをはがした部分は、樹脂を盛り付けて平らに整えます。
平らが出来上がった後、塗装をして完成させます。
化粧板が割れて陥没しています
陥没している部分のサイズは、縦20センチ×横15センチほどありました。
この建具の中はこんな感じです。割れた部分は空洞になっています。
内部にコアを取り付けて、穴を塞ぐ板が外れないように補強していきます。コアの上にフタをかぶせる構造になるため、丈夫になります。
割れた部分の補強をしてから、穴を塞ぎます。
塞いだ部分を平らに成形してから塗装します。
塗装して仕上げます。この建具は柄がありませんので柄描き込みは行ないません。
仕上り
引戸のひっかきキズです。
表面シート貼りの建具です。下の所が引っかかれて傷んだため補修用シートを貼り傷を隠していたが、そのシートも破れてきたとのこと。裏側もキズがあり、他の建具の損傷と合わせてリペアしました。
修復する前に、補修シートをすべてはがします。
剥がし終えるとこのようになっていました。縦方向は30㎝近くシートがなくなっておりました。引戸の小口角部分もキズがあります。
この後、樹脂を盛り付けて平らに整えます。
樹脂で形を復元します。
シートの無い所はシート1枚分の段差がありますので、樹脂を盛り付けて平らに整えます。
形が復元出来たら塗装をして完成させます。
30センチ級の木目描きはちょっと大変です。
木目模様を描き込んでいきます。
色合わせ塗装と木目模様の描き込みを繰り返しながら周りの色と柄に馴染ませていきます。
建具の交換をせずにここまで直りました。
完成
化粧板が割れて陥没しています
穴のあいた衝撃で、穴周辺の化粧板が割れたり、折れ曲がったりして表面は歪んでしまいます。 陥没部分は、縦17センチ×横10センチ超ほどありました。
定規などを当てると歪んだ部分に隙間ができます。この歪みを計測して修復計画を立てます。
写真は上から撮影したものです。横の歪みを計測しています。13センチほど内側に曲がっています。
傷みの激しい部分は切り外します。勾玉のような跡になりました。
引戸の内部は写真の様な空洞になっていました。
コア(補強材)を取り付けて土台を作り、上に 塞ぎ板をのせて穴を塞いでいきます。
コアと塞ぎ板で安定した下地をつくります。
穴を塞ぐ板は、穴より大きな板を使います。
割れている化粧板の裏側に差し込んでいきます。
こうすることでドアの表面材と修復面の一体性が高まります。
コアの取り付けと塞ぎ板の取り付けは、手間の掛かる作業ですが、完成すると強固な下地が出来上がります。
下地の上に、切り取った化粧板を貼り戻したり、パテなどをのせて平らに成形します。
仕上げ塗装がし易いように、下地の塗装をしておきます。
塗装工程では、徐々に周囲の色と柄に近づけていきます。
周りの木目の流れを見ながら違和感の無いように柄を描き込んでいきます。
化粧板が割れて陥没しています
穴のあいた衝撃で、穴周辺の化粧板が割れたり、折れ曲がったりして表面は歪んでしまいます。 陥没部分は、縦17センチ×横10センチ超ほどありました。
割れ穴は、大まかに三つの破片になっています。
今回は、傷んだ繊維板を全て切り外して修復します。
折れ曲がった部分は、原則、切り外します。
状態が良ければ、そのまま残す場合もあります。
内部は写真の様な状態でした。
縦17㎝程度の穴の様子です。
六角形のコアが入っておりました。コアも破壊されています。耐衝撃性能を高めるというよりは、ドアのたわみ防止の意味合いが大きいようです
潰れたコアはなおしますが、
強度を確保するため新たにコアを取り付けます。
写真はコアを取り付けているところです。
穴の塞ぎ板を取り付けます。
穴を塞いだ跡を平らに成形します。
下地の塗装をします。
この後で木目柄の描き込みをします。
周囲に合わせて木目模様を描き込んでいきます。
模様の描き込みと色合わせを交互に繰り返しながら、色と柄を近づけていきます。
損傷箇所を修復する事で、ドアを交換せずに使い続ける事ができます。
完全に割れて化粧合板が抜けています
割れは、幅10センチあります
穴の縦サイズは、約8センチありました。
割れ部分は切り外してからリペアします。
しっかり穴を塞いでから、割れた化粧合板を貼り戻しました。この後、パテ処理して平らに成形します。
全体をパテ埋めしてから研磨することで平らな面を作ります。写真はパテ埋めしたところです。
平らの成形が完成したら、下地の塗装をします。
この後で木目柄の描き込みをします。
細かな木目模様も描き込んで再現していきます。
近くで見ても遠目で見ても違和感がないように仕上がれば完成です。
化粧板が割れています。
割れた部分をくり抜きます。
ドアの中は空洞になっています。この部分にコアを取り付けてから板で穴を塞ぎます。
写真のように塞ぎ板の奥にはコアを取り付けているので丈夫に修復出来ます。
塞ぎ板の上に更に板をかぶせてからパテをうち平らに成形します。
平らになったら、塗装で色と柄を褪せていきます。写真のように下地着色をしてから色と柄を周囲に合わせていきます。
木目柄の描き込みをします。
写真のように周囲の木目の流れを忠実に再現してつなげるように描き込みます。
完成です。
化粧板が割れています。
目線の高さにあると目立ちやすく、気になります。
ピントが合っていないため接写版を掲載します
ヒビ割は約7センチ×5センチ
ドアの中は空洞になっており、化粧板が割れやすいのです。
このドアは、ヒビ割れでとどまっていますが割れや折れのため歪みがでており、平らに成形する必要があります。
このドアは柄が無いため、白系の塗料を吹付け塗装して仕上げました。
元の割れは、一見すると線状のキズのようにもみえるため、簡単に直るようにも見えるかも知れませんが、塗装するまでに2時間程かけて下地の修復をしています。
光の関係で色が変わって見えますが同じドアです。
これで、気になる位置のヒビ割れも気にならなくなりました。
化粧板が割れて陥没しています。
目立つ高さに発生した割れです。
写真では小さめの割れに見えますが、割れのサイズは、縦14センチ程度です。
割れたり、折れ曲がったりした化粧板を切り外します。
ドアの中の空洞部にコアを入れて補強します。
穴の部分からコアを差し込んで取り付けます。
穴を塞いで平らに成形したところです。
この作業で破損部周辺も少し色が取れるので着色塗装も広めに行ないます。
一旦、下地の色を白系の色で整えます。
この後の色合わせ工程が進めやすくするためです。
下地塗装の範囲は、当初の穴よりも周辺に5センチ程度広がります。
その為、縦巾14センチの割れの場合、上下に5センチずつ広がりますので、24センチ程度の色合わせと木目描き込みが必要になります。
色を合わせていきます。
塗装は、吹付け塗装・刷毛や筆による塗装などで行ないます。
写真は、半分筆で色を付けたところです。
周囲の木目に合わせて木目を描き込みます。
周囲の木目を見ながら慎重に木目を入れていきます。
ドアの穴の多くは、交換せずに修復する事が出来ます。
目立つ場所に空いた大きな穴です。
化粧板が楕円状に割れており、円の左側にもひび割れが広がり凹んでいます。
周囲にはテープの跡のような化粧シートの剥げが点在しています。
割れた板の状態を見ながら損傷部を切り外します。楕円状のヒビ割れと左側の陥没箇所を合わせて、ひとまわり大きめに切り外します。
見た目に影響ある表面のヒビよりも、化粧板の裏側に広がるヒビの状態を確認しながら切り取り範囲を決定します。
ヒビ割は約17センチ
穴の中に見える白いもの(穴の左側に見える縦に伸びる部材)は、ドア内部にある木枠です。
以下の手順で穴を塞ぎます。
①空洞にコアを入れて塞ぎ板の支えを作ります。
②塞ぎ板で穴を塞ぎます。
穴を塞いだ様子です。
この後、平らに成形します。
穴の塞ぎ方は様々ありますが、幾つかの手法を確認した結果、ご紹介の方法が最も品質が安定しており、伊藤リペアーではこの工法が一番信頼できると考え数多くのドアの穴塞ぎに採用しております。
・現状を活かして補修
後に板の動きで平らがゆがみやすい
・コア無しで板を接着
衝撃に弱くヒビ割れなどを起こしやすい
・コア入れして穴塞ぎ
押した時の耐久性は一番高く歪みも起こりにくい
平らにしたところです。
土台の板・パテ各種の色の差が出ています。
平らが完成した後は、下地の着色工程に移ります。
下地の色を整えます。
木目模様も描き込みしてあります。
下地塗装の範囲は、当初の穴よりも大きくなります。
30センチ程度の規模になりました。
ドアの30センチの木目描き込みは、結構、大変です。
色を合わせていきます。
前に描き込んだ杢目が消えてしまうこともありますが、
着色塗装・木目描き込み・着色塗装・木目描き込みの繰り返しで仕上げていきます。
仕上げの描き込みで、木目を完成させます。
周囲の木目と馴染んだところで着色工程は終了です。
ピントがなかなか合わず、きれいに撮れませんでしたが、
木目模様の色や、線の調子(はっきりした線か・うっすらした線かなど)を合わせないと細かく描き込んでも違和感が出てきます。
その為、描き込み、着色塗装、を繰り返して調子を合わせるのです。
最後にクリア塗料を吹きつけして完成です。
大きな穴の修復例です。
化粧板が割れて一部は抜け落ちています。
穴とほぼ同じ面積の板が損傷しており、切り外して塞ぎ直します。
ぐらついたり、ふわふわして安定しない部分は、出来る限り取り除いて修復する事で修復面の安定が図れます。
ヒビ割は約20センチ
内部は空洞になっています。
写真では判りにくいですが、割れ穴から少し離れた上にもひび割れがあります。
以下の手順で穴を塞ぎます。
①傷んだ板を切り外す。
②塞ぎ板の支え"コア"を取り付けます。
③塞ぎ板で穴を塞ぎます。
損傷部の切り外し後の様子
穴の上にある横方向のヒビ割れを含めると20㎝超の損傷範囲です。
写真では見えませんが、穴の直ぐ上部分には木の横枠が入っておりました。
その枠の箇所から外れた所にヒビ割れてが起きています。
化粧板の裏に支えが無いと衝撃に耐えられずに割れてしまうのです。
修復時に補強材を入れる事でこの弱点を補うことが可能です
反対側の板にもひび割れがあった(表面には異常はみられず)ため接着補強してコア入れの準備をします。
穴の左側には、ドア内部の木枠が見えます。
ひび割れはこの木枠の所で止まり、木枠に沿って縦に伸びています。
穴のすぐ上にも横枠が入っていました。
このような場合、塞ぎ板の取り付け方が難しくなります。
補強の難しいひび割れの例です。
コア入れは穴を塞ぐ板が外れない様にするために行ないます。
コアをしっかり入れるほど丈夫にはなるのですが、反対側の板に衝撃が伝わります。板に傷みのある今回は、コアの入れ方を工夫しました。
フラッシュドアの利点の一つに"軽い"という特徴がありますので、軽さと丈夫さ・裏の化粧板に負担が少なくなるように補強します。
穴を塞ぎました。
一度割れた板は、ただ接着するだけでは強度的に不安が残ります。
穴の塞ぎ方は様々ありますが、簡易すぎると施工後に板が外れるなどの問題が発生する事もあります。
周囲の板と一体性が失われている補修は何かが当たった等の衝撃で外れてしまうこともあるのです。
コアを入れる事で、より丈夫に修繕する事が出来ます。
パテは数回に分けて埋めていきます。一度で平らになることはありません。
下地の色を整えてから木目模様を入れます。
大まかに木目を描き込みしてから細かな部分を手掛けます。
周囲の色と柄に合わせながら仕上げていきます。
色柄を合わせて違和感が無くなるように仕上げていきます。
細かな木目模様を広範囲に描き込むのは、時間もかかり大変ですが集中して作業します。離れて見ても違和感が無くなり、周囲の木目と馴染んだところで着色・木目描き込み工程は終了です。
最後にクリア塗料を吹きつけします。
この規模の修復には最短でも1日、場合によっては2日目の作業が必要となります。
作業開始後に判明する損傷部分などもあります。
修復をご依頼の際は日程に余裕のある時期に計画されることをお勧めいたします。
補修跡(他社様)が目立つので再補修して欲しいとのご依頼です。
確かによく目立ちますが、色以外の不具合もありました。
この補修跡の他にも複数の補修痕がありました。
時間と費用・仕上がり のバランスをとり他の補修跡も併せて出来るだけ痕跡が目立たないように直す事になりました。
塗膜がヒビ割れています。
剥離して原因を調べます。
仮に着色工程が綺麗に仕上がっていたとしても、この状態では塗膜が剥がれてしまうので再補修が必要になります。
塗膜を剥がすと白色のパテがでてきました。
この作業は屋内で行う事が難しかったため、屋外で行なっています。
パテがボロボロと崩れる状態でした。
パテの強度不足が原因のひとつ
パテと塗料の密着不良もあり
更に
もう一つ原因が見つかりました。
割れた化粧板の上にそのままパテを盛っていることが判りました。
板が動いてしまいパテや塗膜がヒビ割れを起こしている状態でした。
写真は割れた板同士を接着しているところです。
ヒビ割れ部のパテを取り除き、割れた板を接着したところです。
板を切り外して中に補強材のコアを入れると丈夫になるのですが、今回は接着法で行ないます。
建具は、引戸でも開き扉でも開け閉めの時に必ず動かします。その時、補修部に振動が伝わるため、強度の弱い直し方をすると補修面の割れなどが起きやすくなります。
新たに埋め直しました。
補修作業は、初期段階で手間を惜しんで簡易に直してしまうとトラブルが起きやすくなります。
最終の着色工程が最も仕上がり品質に影響するように思われがちですが、見えない下地工程の手を抜くと今回の様な問題が発生します。
塗装と木目模様の描き込みをして目立たなくなりました。
費用対効果という言葉がありますが、品質と費用などの条件面を考慮して修繕計画をご提案する事も可能です。
ご不安点、ご希望などをお聞かせください。
良い修繕になるようにご提案させていただきます。
かなり大きな30㎝超の補修跡です。
他社様の直した跡が目立っており、綺麗にならないかとご相談がありました。
この補修跡は上欄のご紹介事例と同じ物件です。今回は、完全な修復では無いのですが、他の補修跡も併せ、費用を抑えて手直しすることになりました。
補修跡はこのような状態で、パテ埋めの跡がよく判ります。
色と木目描きがしっかり出来ていれば、目立たなかったかも知れません。
この戸に一体、何があったのでしょうか。
そして何故このような補修になったのでしょうか。
...様々な事情があったのでしょう。
ドア・引戸などの建具修復で30㎝以上の規模はかなりの大物です。
補修跡は、本来は全て剥離すると良いのですが、今回は安定している部分は活かして、下地処理に問題が見つかった部分のみをやり直します。
板が動いている部分は割れ目部分まで掘り込み接着して埋め戻します。
ボコボコした表面を出来るだけ滑らかにします。
表面が滑らかになったところで塗装に入ります。
下地調色の後、大まかな木目模様の描き込みを行なったところです。
木目の流れを乱さないように様々な色の線を引いていきます。
大量に吹付け塗装を行なう必要も有り、屋外での作業となりました。
ここから更に色と柄の調整をしていきます。
この規模の破損状況になると、補修ではなくシートの貼り替えになる場合も多いかと思いますが、同じ色柄のシートがあることは稀で、似た柄のシートは建具の印象が変わることがあるようです。
リペア作業は、
建材が実際に設置されている場所にて、
実際に使用されている照明のもとで行なうことが基本です。
前の塗装工程写真とこちらの写真では色が違って見えますが、これは屋外の光と室内の照明とで見え方が違う事も影響しています。
この建具の場合、明るい屋外では茶色に映り、室内照明では黒っぽい色に映る傾向にあるようです。
表面の凸凹が修正され、色柄も修正されたことで見栄えが改善されました。
色については、外と室内を何度も往復して調整する事になりました。
予算や工期の制限に合わせた修繕プランのご提案が出来ますので、ご事情をお伝えいただけましたら最適案を計画いたします。
ご紹介冒頭の「大きな補修跡」のような仕上げは、品質面から当店の基準を満たしません。
予算に合わせて低品質で良いという条件でも承ることが出来ませんのでご了承ください。
気になる補修跡の"再補修"をご検討の方は、当店までご相談くださいませ。
割れた化粧板の上にそのままパテを盛っているため塗膜にヒビが発生しています(円形の補修跡に白い筋状のヒビがあります)。
開閉時の振動や、湿度・気温などで化粧板が伸縮するなどして動いた時にヒビ埋めのパテが割れ、塗膜も割れてしまうことがあります。
他の補修跡と併せて費用を抑えた手直しをする事になりました。
凹み全体を埋めずに、一番酷い破損部のみを簡易に埋めてあるため、横方向の凹みが残っています。
円状の補修跡の下には横方向にヒビ割れが伸びています。
簡易着色してありますが、適切な着色ではないため、かえってキズが目立ちます。
少し引いて見たところです(ピンぼけですが)。
この状態からどこまで直していくのかをお客様と相談して手直し計画を立てました。
今後の生活の中で、この建具がストレスにならないようにお直ししたいと思い、修繕計画をたてました。
塗膜ヒビの箇所は、パテを取り除き、化粧板の割れ部分まで掘込みます。
板割れを補強接着後、埋め直します。
写真は塗膜ヒビ部分のパテを取り除き、板の割れ部まで削った所です。
単に、色が合っていない・木目の書き方が粗くて目立つ 等だけでであれば、このような処置は不要です。
再度埋め直してから、補修部分を研磨し滑らかな面にします。
この後、出来るだけ平らに近づけてから着色と木目描きを行ないます。
出来るだけ自然に見えるように着色・木目模様の描き込みをしていきます。
写真は、作業途中の場面ですが、違和感が軽減されてきました。
お客様と仕上がり具合を確認して完了します。
修復は、本来は品質本位で行なうものですが、
伊藤リペアーでは、依頼されるお客様のご事情に合わせて仕上がりグレードを調整する事も可能です。
予算優先の場合でも、無責任な補修は行ないません。