自分で直したい
という方に
キズを自分で直したい という方向きのページです。
「自分で直したいけれど、どうしたらよいか判らない。」
というお話もよくお聞きします。そこで補修計画の目安になるコーナーを設けました。
修理と言っても、大がかりなものから、ちょっとしたものまであり、様々なサイトで業者紹介の場を提供してくれています。
リフォーム会社情報https://reform-pro.info/400/430/ なびhttps://naviannounce.com/ エキテン
こういった媒体を利用してプロの業者に直してもらえば、綺麗にする事ができるでしょう。
費用をかけただけの満足が得られることと思います。
大がかりなものほど個人では対応しにくいので利用する人が多いと思います。
一方、「ちょっとしたキズの場合」はどうでしょうか。
その中には、「これくらいのキズならプロに頼むほどではないかな。でも気になるな。」というニーズも相当数含まれているようです。そんな場合、個人でどのように補修を計画すれば良いでしょうか。
まず、キズを修理するには 道具と材料が必要になります
道具選び と 材料選び
ホームセンター・インターネットなどで様々な道具や材料が出ていますが、何を購入すれば良いでしょうか。
フローリングの凹みを直す場合 を例にします
フローリングには種類がありますが、一般的に普及している、表面に化粧単板を貼り付けた複合フローリング材を想定しています。
リペアの第一段階
凹みを埋めるための道具はどんなものが必要でしょうか。
それは、凹みに充填する材料によって変わります。
恐らく一般家庭でフローリング凹みを直す場合、以下の3つの材料が主流になるのではないでしょうか
〇扱いやすさを重視
クレヨンタイプの柔らかい充填材を購入する場合
木目書き込み用のタイプもあります(右側二本)。
特段、キズ埋めに対応する道具を購入するは必要ないでしょう。(付属のヘラ等で充分でしょう)
仕上がり面は柔らかくキズ付きやすいのですが、比較的安価で購入でき、扱い易いのが良い点です。
〇耐久性を重視
樹脂系の硬めの充填材を選択した場合
写真は樹脂の充填材とガスごて
電気ゴテなどがSET販売されていることが多いです。
金額は高くなり、コテ を使う技術も必要になります。 ( 練習が必要 )
慣れれば、綺麗な平滑面が作れるようになるので、ちょっとしたキズは自分で直せるようになります。
工作や絵描きが好きな人は、趣味として始めるくらいの気持ちで取り組むのもありでしょう。
この方法は、気長に取り組むくらいの余裕が必要になります。
どんな仕事も1日で修得出来るものではありませんね。
〇耐久性を重視
粘土タイプ(エポキシ樹脂など)の充填材
手袋をはめて練り込みます。
補修屋さんは、冬場はドライヤーなどで暖めて練り込んでいます。
他にも、木工用のパテも販売されています。乾燥硬化には時間がかかります。
必要量を切り取り、暖めて手で練り込んでから凹みに充填する材料です。
色の粉を混ぜ込み床色に合わせる商品もあります。
コテに比べて失敗の恐れが少なく、時間が経つと堅く硬化するので強度もあります。
柔らかいうちに充填と成形を完了する必要がありますが、特に道具を必要としません。
平らにするためのヘラや板は用意しましょう。
コテ作業ほどの精度で平滑面をつくるのは難しいかも知れません。
いずれのタイプもキットに補修方法が解説してあるはずなので、よく説明書を読み込んでから作業に取りかかりましょう。充填材同士を混合したり、顔料(色の粉)を混ぜたりして床の色に合わせられるタイプは、色の調合が上手くいけば、 この後の着色工程が楽になります。
〇お金を掛けずに直したいし、失敗も怖い。ほどほどに直ればそれでいい。という方は
柔らかいタイプを選択するのが良いでしょう。
上手くいかなくても布でしっかりとぬぐえば、充填材を拭き取ることが出来ることが良い点でもあります。
〇失敗を恐れず果敢に挑戦したいという方は、
コテを使って作業しても良いと思います。
素材を熱で傷める・自分がやけどしてしまう 等に注意しながら頑張りましょう。
プロのように作業出来なくても、そこそこ満足出来る仕上がりになることもあります。
反面、失敗した時は、かえって酷い見栄えになってしまうことも多いのですが、リカバリー出来たときは飛躍的に技量がアップし、投資金額以上に成果が上がることにもつながります。
このタイプの充填材でも比較的たやすく平滑面を作ることが出来る物もあります。
一般的に、誰でも失敗なく扱える物と、扱いが難しい物とでは、耐久性能も比例する事が多いのでその辺りも考慮しましょう。
扱いが難しくても存在するというのは、それなりの意味があるのです。
耐久性まで考えた職人さんは、扱いの難しい材料や工法で施工していたりしますが、見た目では判らないため、なかなか注目されない部分でもあります。効率重視の施工が増えているのは、寂しい気持ちもします。
適材適所という言葉がありますが、間違った材料の選択は、補修部が取れてしまうなどの不具合が起きる原因にもなります。床の修復事例
〇エポキシ樹脂などはこう見てくると一番お勧めのようにも思えます。
実際に修復作業では下地用充填材として活躍する事も多いです。
しかし、そのエポキシの上にコテで溶かすタイプの樹脂でコーティングしてから着色する事がほとんどです。
その方が仕上がったときの質感・つや感・発色が良いからです。
エポキシを埋めた縁の部分は、凹キズの形状にもよりますが、浅く薄くなりがちで、欠けやすくなり、キズの輪郭が出やすい点には注意しましょう。
※正確な平面を作るためにサンドペーパーで研磨するという方法があります。
プロもよく用いる方法ですが、ここではペーパーを用いない前提で話を進めています。ペーパーの番手や研磨の仕方を間違えると床がキズだらけになり復旧出来なくなる恐れがあるためです。
リペアの第二段階
必要な物 塗料・筆
凹みが平らに埋まったら木目描きなどの塗装工程に入ります。これも様々なものが出ており迷うところです。
プロの場合、色を調合して筆で色調を合わせたり、木目を描く・スプレー缶やエアブラシなどで吹付け塗装をする などの方法をとることが多く、有機溶剤を使う事が多いです(ラッカー系が多いかと思います)。
一般家庭で有機溶剤を保管する事はあまりないと思いますが、
ホームセンターで購入する事が出来ます。ラッカー薄め液・ペイント薄め液などと表示されています。
有機溶剤は一般家庭では管理の問題もあり使用は難しいかも知れませんが、
着色にラッカー塗料を使う場合はラッカー薄め液を選択して下さい。
ペイント薄め液は、油性ペンキ用でラッカー塗料には使用出来ません。
有機溶剤は臭い(ラッカーは、いわゆる シンナーの臭い・ペイント薄め液は灯油の臭いがします)が気になる。という場合は水性塗料で着色する方法があります。水性といってもどんどん優れた新製品が登場し乾燥後は水に溶けず、油性に引けをとらない耐久性を持つものもあるようです。
ご家庭に置いてある可能性の高い水彩絵の具を使用したいと考える場合は、水に溶けてしまいますが、何とか利用できたら良いですね。絵の具をしっかり乾燥させてから、さっと床用ワックスを軽く一拭きして(色が取れたらまた書き直しましょう)コーティング出来れば、個人補修としては完成といえるでしょう。
様々なカラースプレーがありますが、一本だけで床色に合わせることは困難です
スプレーは吹きつけのテクニックも必要です
ホームセンターでも、ラッカーやエナメルなどの塗料のスプレー缶が出ていますが、
透明なクリヤー 以外の カラー系は、床の吹付け塗装には難しいです(床とぴったりの色はまず有りません)。
充填材やカラー系の塗料やスプレー缶を購入するときは必ずお店の人に相談しましょう。
事前に床の写真を撮っておくと良いでしょう。その時、写真の色と実際の床の色とを比較して、出来るだけ色味の差が無いような写真である必要があります。
充填材を床の色に近づけることが出来れば、吹付け塗装で色合わせする必要はありません。
木目の書き込みだけで目立たなくなるでしょう。筆で描くと綺麗に描けるのですが、細く描けるマジックペンタイプのものが出ておりますので、それを購入するのも良いでしょう。
この時、充填材の種類によって、塗装時、色の乗りに[良い・悪い]の差が出るようです。油性よりも水性の塗料方がはじかれてしまいがちです。ノリの悪いときは、線を引こうとせずに、色を置くようにして少しずつ描いていくと良いでしょう。
油性・水性いずれの場合も、乾燥させてから次の色を塗るようにしましょう。
プロでも、うっかり生乾きの状態で筆を入れてしまい、下の着色面にキズをつけてしまうことがあります。
・最後にワックスを塗って保護仕上
色づけが完成したら軽くワックスを塗ってやると保護膜が出来て補修面を守ってくれます。ワックスがけも、乾いてから次を塗るようにしましょう。
クリヤー塗装をして(スプレー缶などを使います)表面保護をすると綺麗に仕上がりますが、コテ作業と同様に慣れが必要です。しくじるとそれまで仕上げてきた補修面が台無しになってしまうことがあります。
その場合は、またやり直します。しかし、扱いに慣れればワックスがけよりも補修面を傷めずコーティングできる方法です。
この吹付け塗装をする場合は、思った以上に広範囲の塗料飛散がおきますので、養生(塗りたくない所をマスキングする=隠す)を忘れずにしましょう。
マスカーを購入するか新聞紙などを代用(この場合でもマスキングテープは必要になります)するかしましょう。
ワックスもクリヤー塗装も、ピース 単位で行なうと艶のムラが目立ちにくいので、養生もキズのあるピースを囲むように行ないます。 ここでいう ピース とは木目などの模様の一区切りの区画のことをいいます。
マスキングテープでキズのあるピースを囲んだ例
白色の付箋がキズのある場所です
キズのあるピース全体を囲んで作業します。
吹付け塗装する場合は、囲みの外側に塗料が付着しないように養生(覆い)をします。
マスカーと呼ばれるビニール養生のほか、新聞紙などを代用しても良いです。
当ホームページでは、床やドアなどの建材の修復について解説するページを設けております。
プロがどのようにキズを直しているのか参考にしながら、修復のDIYに挑戦してみて下さい。
上手くいかなかった!何とか綺麗にして欲しい!というご依頼も受け付けております。
この場合は、どうすれば良かったのかを実際の現場でお伝えすることも可能です。